美少女ゲームアワード2008その1

今日ニコニコ動画でこんなものを見つけたので今日の日記は美少女ゲームアワードについでです。http://www.nicovideo.jp/watch/sm5746867

ニコニコ動画のアカウントを持っていない、動画で見るより文字で読みたい、と言う人は↓から結果も見れます。
http://www.bishojyogameaward.org/2008/result.html







2008年の美少女ゲームアワード大賞は“G線上の魔王”でした。
……個人的には“世界で一番NGな恋”、“クロノベルト”、“Aster”辺りに頑張って欲しかったのですが、やっぱりG線には勝てなかったようです。
こんなことを言いつつもG線をプレイしていて、挿入歌の“Close your eyes”が流れたときには涙腺が緩んだのでまあ、順当なところかなとも思いますが。

しかし今更G線のレビューをしても仕方ないので今回はG線以外で美少女ゲームアワードで何らかの賞を受賞した作品のうち個人的お勧めを紹介していきたいと思います。


世界で一番NGな恋
http://www.hermit-game.com/h03/top.html
シナリオ賞:銀賞 純愛系作品賞:金賞 


通称だめ恋。パルフェこの青空に約束をー等で有名な丸戸史明さんの作品です。
実に丸戸さんらしい会話のテンポと最後に泣かせてくる展開、純愛系の金賞に相応しい作品だったと思います。
主人公は28歳でメインヒロインの美都子はまだ(恐らく)中学生。
年齢の差を考えて身を引こうとする主人公。
後数年待てという周囲の声も聞き入れることが出来ず、主人公と結ばれることを望む美都子。
最初は年齢のことを考え主人公と美都子が結ばれることを反対していたものの、二人が結ばれた後は“許されないNGな恋でもせめて自分達だけは二人を祝福してやろう”と二人の仲を暖かく応援するアパートの住人達。
現代人の多くが失ってしまった暖かい絆がそこにはあります。

……いやほんとにこの作品は良かった。
美都子以外にも元妻で現在は美都子の学校で教師をしている麻美のシナリオも非常に素晴らしかったです。

大学卒業後すぐに麻美と結婚した主人公でしたが、ある日唐突に麻美より別れを告げられてしまう。その後リストラされたりといろいろなことがあり美都子のアパートに住むことのなった主人公。美都子の学校に三者面談に行ったら何故かそこには別れたはずの妻がいて───?
一度は主人公と別れた麻美ですが、主人公のことが嫌いで別れた訳じゃない。
ただとある事情から自分では主人公を成長させることが出来ない、自分では主人公を幸せに出来ない。そう思って身を引いた。
しかし再びであった主人公は美都子のお陰で大きく成長していた───
果たしてこの二人の結末は───?

この二人の結末も本当に感涙ものでした。言動の端々から主人公のことが好きなのが伝わってくるのに何故主人公を振ったのか?二人は幸せになることが出来るのか?プレイしている最中に先が気になって気になってしょうがない、最高の作品でした。


Aster
http://www.rusk.tv/aster_index.htm
主題歌賞:優秀賞


この作品のノミネート主題歌賞のみ、と言うのは本当にもったいないと思います。
シナリオ賞、純愛作品賞でも十分入賞を狙える作品だと思います。

この作品についてのレビューを見るときは少なくとも体験版をプレイしてから読んで欲しいので、未プレイの方は是非上記のHPで体験版をプレイしてみて下さい。
あるいはある程度のネタバレは問題無い、と言う方のみ以下のレビューを読んでみてください。















この作品は大きく分けると3つの章に分けることが出来ます。
まず最初のシーンはプロローグ的な役割を果す章で主人公の一人である宏と幼馴染の沙耶が結ばれて、そして突然のバスの事故により主人公が沙耶を失う所まで。

そう、この物語は主人公が大切な人を失った交通事故より全てが始まるのです。
この作品は複数の主人公達にそれぞれ大切な人が居て、選択肢は存在せずにどの主人公の物語を見るか選ぶことのみ出来ます。
そして続く二章そこではある事故が4組のカップルに与えた影響を追っていくことになります。


主人公の一人である、小田巻正人は思いを寄せ合っていた美幸と結ばれ、幸せの絶頂に至るはずだった。しかし美幸とその父親はある事故に関係があるようで───?

主人公の一人である柳京次には卒業と共に結婚する約束をしている女性が居た。その女性の名前は小田巻雛。主人公の一人である小田巻正人の妹である。しかしその雛がバス事故で視力を失ってしまい───

主人公の一人、萩原睦月はとあるバス事故で母親を失ってしまった。しかし、その事故がきっかけで彼は大切な人とめぐり合うことになる───

そしてそれらの三人のシナリオをプレイすると、メイン主人公の榊宏のシナリオが始まります。

主人公の榊宏はその事故で最愛の恋人を失ってしまった。しかしその死を認めることが出来ず、自暴自棄な生活を送る。そして何時しか本当に沙耶の死を無かったことだと思い込み───

二章ではそれぞれの主人公がそれぞれのヒロインと目の前に立ちふさがる壁を乗り越えていく物語が描かれます。そしてAsterルートでは二章にて描かれた問題を解決したものの主人公によってはその後にまた壁が立ちふさがることも───


この作品の一番のポイントは、沙耶の死を認めようとしない主人公に沙希が泣きながら説教するシーンだと思います。
そのシーンでの青山ゆかりさんの演技がもうね……。
涙無しには語ることが出来ません。

複数主人公制のお陰でそれぞれの立場から事故を見つめることで、物語に深みが出ている点は素晴らしいのですが、そのお陰で駄目になっている部分も少々あるのが残念なところです。

まず第一に、主人公が複数居るせいで若干テンポが悪くなってしまっている点。
沙耶の事故で、宏がどうなってしまうのかが非常に気になる中、唐突に別の主人公のルートを選択させられるのは、もうちょっと何とかできなかったのかなと。

そしてさらに、複数主人公制にして主人公を選べるようにしたのは良いのですが、その割りにうまく複数の側からの視点を融合できなかったこと。特に、正人の恋人である美幸が正人の妹である雛が視力を失う原因を作ってしまった、と言う点はもう少し深く描くことが出来たんじゃないかと。主人公を選ぶ順番が自由な以上、ネタバレを防ぐためにも苦心した部分だとは思いますが……。


しかしそれらの点を考慮したとしても、様々な立場からひとつの事故について描かれていくシナリオは十二分に読み応えがあり、是非プレイしてもらいたい作品であることには間違いありません。








この二作の紹介だけで結構な量を書いてしまったので、他の作品の紹介は次回に回……すのかな?
催眠術2辺りについては書きたいこともあるんですが、美少女ゲームアワード2008その2を書くかどうかはまだ未定です。