propellerの新作『きっと、澄み渡る朝色よりも、』クリアしました。propeller×お朱門ちゃんこと朱門優ということでただの学園もので終わることはあるまい、と思っていたのですが流石はお朱門ちゃん、やはり期待通りただの学園ものでは終わりませんでした。
 クリアした直後でいまいち感情の整理はついていませんが、これだけは断言できます。すっげえ面白かった。朱門優が好きな人、青山ゆかりが好きな人はこの作品をやって損はありません。というかやるべきです。


 とりあえず感じたことを何点か


1.キャラ絵、イベントCG、背景などが綺麗
 この作品のテーマのひとつに芸術があり、シナリオ上でも学び舎の風景は非常に大きな意味を持っています。その中で描かれた背景が非常に丁寧で美しかった、これは作品の雰囲気を完成する上で非常に大きな要素だったように思えます。特に特定のシーンで流れるように描かれていく背景は必見です。また、キャラの立ち絵もよく動き、コミカルなシーンではデフォルメされたヨダ絵もふんだんに使われておりグラフィックは非常に充実していました。


2.キャラクターが健気で可愛い
 いや、本当に今作のヒロインは素晴らしかった。特にアララギ・ひよの可愛さは反則。いままで青山ゆかりツンデレの女王だとばかり思っていましたがデレデレだった時の破壊力がここまでとは。この作品の特徴として、主人公以外のキャラクターの視点が頻繁に挿入されるのですが、それもヒロインの可愛さを際立たせるのに一役買ってました。おかげで所々感情移入しすぎて涙ぐむ場面も。とりあえず主人公屠られろ。


3.propellerらしい熱さもある。
 propellerと言えば熱い作品だというイメージが強いと思いますが、その熱さはこの作品にも受け継がれています。戦うというのは言葉通りの戦闘だけではなく、何かに抗うということでもある。その意味でこの作品は非常にpropellerらしい熱さに満ち溢れていました、


4 優しさと絆
 この物語の核は絆、そして優しさです。絆とは何なのか、優しさとは何なのか。特に優しさについては、作品内で何度もその捉え方について問われます。そして全てを救うのは優しさと絆。これら2つのテーマがこの作品を通して痛いほど伝わってきました。


5 きっと、澄み渡る朝色よりも、
 タイトルが『、』で終わってるのは怪しいと思ってましたが、なるほど。そこら辺も含め、クリアしてみるとうまいな〜と思う要素がちりばめられていました。



 と、ネタバレしないように書けるのはこんなところでしょうか。しかしこれは『いつか、届く、あの空に。』の時も思ったのですが、普通の学園物のエロゲを期待して購入した人はどんな感想持つんでしょうね。今回はいつ空と比べて学園物としても十二分に面白いと思うんですが、かなりびっくりするだろうなぁ。後、もうちょっとルートが欲しいという思いも無いでもないんですがEDが綺麗だったのでまあ仕方ないか、という気持ちに。十分なシナリオ量とCG量だったしこれ以上を求めるのは酷かな。

 少し今までと違う毛色のpropeller作品ということで、期待半分不安半分でしたが非常に満足できる出来でした。CG面での進化は特に目を見張るものがありまししWHITE−LIPSの曲も感動的でした。前述のとおり熱い要素もありましたし、熱い漢もいました。でもなんと言うか漢臭さが足りなかった。エロゲーに何求めてんだって話かも知れませんがそろそろ東出祐一郎×中央東口×antistarの血沸き肉踊る作品もプレイしたいなーと。

 ということで次のpropeller新作も期待して待ってます。